コラム一覧>>犬が床で滑るのはどうして?理由から対策法まで解説
室内で犬を飼っている方は、ときどき愛犬が床で滑ることが気になっていませんか?そのままにしておくと、ヘルニアなどのケガ・病気につながることがあるでしょう。本記事では、愛犬が床で滑らないための対策法を解説します。室内で犬を飼っている人のなかには「爪で床が傷だらけ」「ときどき床で滑っていてケガをしないか心配」という飼い主さんもいるでしょう。 犬が床で滑ってしまう理由はいくつか考えられますが、放っておくと股関節やひざに負担がかかるだけでなく、ケガや病気を招くこともあるので要注意です。 本記事では、犬が床で滑る理由や心配されるケガ・病気を解説するとともに、効果的な対策をお伝えします。室内で犬を飼っている飼い主さんは、ぜひ参考にしてみてください。
更新日2023年11月2日
犬が床で滑ってしまう理由は、大きく3つです。
・爪が立たないから
・老化などで足腰が弱くなり、踏ん張りがきかないから
・肉球の間の毛が伸びているから
犬は、地面に爪を立て、スパイクのようにして走ります。そのため、フローリングなどの硬い床では爪が立たず、走ろうとすると滑って転んでしまうのです。老化で足腰が弱くなるのは、犬も同じです。シニアになって、筋肉が衰えたり、バランスが取りにくくなったりすると、それまでしっかり歩けていた床でも滑って転びやすくなります。 また、犬が床で滑るようになったら、肉球の間をチェックしてみましょう。爪や肉球の間の毛が伸びていませんか?肉球は歩く際の衝撃吸収だけでなく、滑り止めの役割も果たしていますが、爪や周りの毛が伸びてしっかり床に接地できなくなると、グリップが効かず滑ってしまいます。
犬が床で滑るようになったら、できるだけ早めに対策をしましょう。対策をせずに放っておくと、次のようなケガ・病気を引き起こすことがあります。
膝蓋骨脱臼は、人間でいうところの膝の皿がずれてしまう病気です。略して「パテラ」と呼ばれることもあります。 足を1本浮かせてスキップするように歩いていたり、横座りをしていたりするときは、注意して後ろ脚を観察してみましょう。後ろから見て足が曲がっている場合は、膝蓋骨脱臼になっている可能性があります。 とくにトイ・プードルやポメラニアン、チワワなどの小型犬の膝関節はもともと溝が浅く、先天的に脱臼しやすいため注意が必要です。小型犬でなくても、床で滑って膝に大きな負担がかかると、脱臼しやすくなります。 膝蓋骨脱臼は、重症度によって4段階に分けられます。
グレード1
膝蓋骨が外れても自然に元に戻り、生活に支障をきたさない
グレード2
後ろ脚を曲げたときに頻繁に脱臼し、手で押したり、足を曲げ伸ばししたりすると元に戻る
グレード3
常に膝蓋骨が脱臼した状態で、後ろ足を曲げて腰を落とした状態で歩くなど歩行異常がみられる
グレード4
常に脱臼した状態で、手で押しても元に戻らない。後ろ足を曲げたまま、うずくまるように歩く
症状が重くなると手術が必要になるので、できるだけ膝に負担がかからないように予防しましょう。
股関節形成不全は、股関節の形が異常で、歩くときに腰が左右に揺れたり、後ろ足をうまく折りたたむことができなかったりする状態です。 ゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーなどの大型犬や超大型犬に多くみられ、遺伝や生育環境が大きな原因とされているので、大型犬・超大型犬の子犬を飼っている人は、できるだけ関節に負担がかからない生育環境を整えてあげましょう。 肥満になると関節にかかる負担が大きくなり、股関節形成不全が悪化しやすくなります。適切な食事と運動で、太りすぎを防ぐことも大切です。
ここからは、犬が床で滑らないための対策をご紹介します。
フローリングの風合いをそのままに滑りにくくしたいなら、フロアコーティングがおすすめです。特殊な樹脂でフローリングをコーティングすることで、滑りにくくなるだけでなく、汚れや傷がつきにくくなります。 粗相をしたり、食べこぼしたりしてもフローリングが汚れなくなるので、衛生面を気にする飼い主さんにもおすすめです。 コーティング剤によっては30年程度効果が持続するものもあるので、ワックスがけの手間も省けます。
カーペットやマットを敷くのも、床を滑りにくくするのに効果的です。クッション性や防音性にも優れているので、ペットの関節に負担をかけたくない人や、ペットの走り回る音を軽減したい人は試してみましょう。カーペットやマットを選ぶときは、防汚コーティングがされていたり、洗濯機で簡単に洗えたりするお手入れが簡単なものをおすすめします。
もし爪や足裏の毛が伸びているなら、爪や毛を切るだけでも滑りにくくなります。月に1回を目安に、定期的にカットしましょう。 爪の長さは、横から見たとき肉球からはみ出さない程度が目安です。あまり短く切りすぎてしまうと、爪のなかにある血管や神経を傷つけてしまうので、少しずつ整えてください。爪切りを嫌がる場合は、動物病院やトリマーで切ってもらうのもよいでしょう。 肉球の間の毛をカットするときは、肉球を傷つけないようにペット用のバリカンを使ってください。ハサミでカットしようとすると、犬が動いたときにケガをさせてしまうおそれがあります。 カットする際は肉球と平行にバリカンを当て、肉球から少し浮かせたところでカットします。あくまでも肉球にかかっている毛だけを切るようにして、しっかり短くしようとしないことが大切です。
滑り止めシートやコルク材は、定期的な交換が必要ですが、手軽に床を滑りにくくできるアイテムです。シートは水洗いできるものも多いので、粗相をしやすい子犬やシニア犬にも適しています。 滑り止めシートは、マットに比べると薄いものが多いのもポイントです。床に段差ができにくいので、転倒しにくいでしょう。 コルクマットは、摩擦に強く、しっかりとしたグリップ感が得られます。水洗いできないものが多いですが、ジョイント式のマットを選べば、汚れたところだけ簡単に交換できるのも魅力です。
室内で犬を飼う人が増えたことで、床で滑ってケガや病気をする犬も増えています。いつまでも元気でいてもらうためには、犬が滑りにくい環境を整えることが大切です。 犬が床で滑るときは、まず爪や肉球の間の毛の長さをチェックしましょう。長すぎる場合は、ちょうどよい長さに整えてください。そのうえで、マットを敷いたり、滑り止めワックスを塗ったりすると、滑りにくくなります。 自分で滑り止めワックスを塗るのが面倒な人や、マットを買い換えるコストが気になる人は、フロアコーティングがおすすめです。フロアコーティングなら、フローリングの風合いはそのままに、ペットにやさしい滑りにくく汚れにも強い床にできます。 ペットにやさしいフロアコーティングを検討している飼い主さんは、ぜひお気軽にお問い合わせください。